「チャットボット失敗するよ」記事から半年、考えてみた。


ユーユーの津崎です。

LINE上の恋愛チャットボット「保険彼氏」を運営する会社のCEOをやっています。

非エンジニアです。

 

 

去年バズった「断言しよう、チャットボットブームは去るし関連ビジネスも失敗するよ」という記事から半年が経ったので、この記事で挙げられている論点を自分なりに考えてみました。まずはリンク先の元記事を一読下さい。

 

 

 

 

 

前提として、チャットボットはタスク処理型と雑談型の2タイプに大別されます。

前者の例が不動産のイエッティやインバウンド向けのbebot、後者の例がリクルートのパン田一郎やマイクロソフトのりんな、そして当社の保険彼氏もこの雑談型です。

 

 

それでは、記事で指摘されている3点をみていきます。

 

 

1. ユーザーの利用シーンが無い

ユーザーがチャットを利用するシーンを想定するよりも、「電話やメールだと不便」なシーンを想定すると答えが見えてくる気がしていて、例えばヤマト運輸のLINEアカウントはボットで宅急便の再配達を依頼できて便利ですが、あれ電話だと聞きたくもない自動音声を聞かされてめちゃくちゃ不便ですよね。時間も取られますし。

 

 

「既存の電話やメールだとめっちゃ不便」というユーザーの負の要素があるならばユーザー目線のボットサービスを作れるでしょうし、負の要素がなければ、記事にも書いてある通りそもそもニーズがないので、誰にも使われないサービスになります。

 

 

「何が便利か」という視点だと、開発サイドはボットを導入するだけでたいていのことは便利なようにどうしても錯覚してしまうので、「解決すべき課題を見つける」というスタートアップの原点に立ち返るのがよいですね。

 

 

2. そもそも自然言語処理の精度はそこまで高くない

僕も実際に3ヶ月半チャットボットサービスを運営してみてこれは痛感しています。チャットボットが完璧な回答なんてとても無理です。じゃあどうすればいいか?というと、

 

 

「完璧な回答を返せないことをユーザーに許容させるキャラ設定」

 

 

が重要です。

 

 

りんなが代表的な成功例です。りんなが女子高生ではなくて女弁護士だとしたらどうでしょうか?曖昧な回答もふざけた回答も許されなくなり、使われなくなるでしょう。

未成年の女子高生設定だから、適当なレスが許されるし、ユーザーが話しかけて遊んでみたいという気持ちになります。

 

 

ちなみに保険彼氏の場合、「乙女ゲームの世界ではどうやらドSキャラの男が一番モテるらしい」という僕のにわか知識だけで、若干のSキャラ設定を試みたところ、そうはいっても反応できない語群が大量にあるため、「俺様Sキャラなのに日本語を極端に知らない情弱」なヴァーチャル彼氏ができあがりました。

 

 

ほとんどの人が思っている以上に、ボットキャラの擬人化であったり、イラスト、キャラ設定はめちゃくちゃ重要な要素です。

 

 

キャラ設定の際には、子供や気弱動物キャラなどの方がユーザーの期待値が下がるので、個人的にオススメです。

擬人化も全くされていないボットをたまに見かけますが、厳しいと思います。

 

 

3. 対話である必要性が無い

雑談型はこの必要性を簡単に満たします。「ユーザーは対話という遊びをやっているから」です。問題はタスク処理型で、ユーザーがチャットUIで対話をすることへのインセンティブ設計が甘いと、「別に電話かけて聞けばよくね」で終了となります。有効なインセンティブは常に考える必要があるでしょう。

 

 

記事で書かれている3つの論点については以上です。

ここからは雑感です。

 

 

チャットボットそのものに技術的に特筆すべきところはありませんし、チャットボット単体でビジネスを成立させるのは難しいという声は多くの人から上がっていました。

まさしくその通りだと思います。一方で、「チャットボットなんてたいして儲からない」と言う人が多いほどチャンスなんじゃないかとも肌感覚で感じます。

 

 

チャットボットの本質的な価値はなんでしょうか?

 

 

僕は「ユーザー属性データが取れること」だと考えています。

 

 

電話で通話を全て録音したとしても、有効なユーザー属性データに集積させることは不可能です。

メールでは、有効データになるために十分な回数のやりとりがなされないでしょう。

 

 

チャットボットが数々の課題をクリアーしてユーザーに使われるサービスになったなら、オリジナルのユーザー属性データが大量に取得でき、強力な事業資産になり得るはずです。

 

 

保険彼氏を始めた当初は僕もボット単体だけでビジネスをしようとしていたのと、保険業法の縛りで保険に関する会話ができないという事情もあり、恋愛ボットに振り切るという路線を取ってきました。

 

 

ただ今後は、ユーザー属性データ取得を目的としたBtoBtoCのタスク処理型ボットに舵を切ります。

知見がたまってきたら、また更新します。

本日は以上です。

 

 

◇事業の拡大にあたっては今いるエンジニアだけでは人が足りず、CTOとなって頂ける方も大募集中ですので、本記事で当社や僕にご興味を持って頂いた方は、お気軽に僕のFacebookまたはtwitterまでご連絡お待ちしております。僕達と一緒に生命保険業界を変えるサービスを作りましょう!

 

 

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◇先週からウイルス性胃腸炎に激しく苦しみ、先週は会社を半分以上休みました。

一向によくならないのはなぜなんだろうと医者の先輩に相談したら、胃腸炎なのに、胃腸にダメージを与えるロキソニンを律儀に毎食後飲んでいたからでした。服用をやめたら急速に回復しました笑

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